しろしろ的萌えゲーアワード2020

 

はじめに

こんにちは。しろしろです。

 

2020年は多くの人にとって激動の年であったと思います。それは僕ももれなく例外ではなく自宅で過ごす日がとても多かったです(激動なんだか不動なんだか)。

そんな中、何をするかといえば答えはもちろんギャルゲーです。でしょ。友人とskypeで画面を共有して一緒にプレイしたりもしました。

2019年と比較したらややプレイ本数は多いかもしれません。知らないけど。

 

まず最初に断っておかなければならないのですが、2020と銘打ってはありますが、2020年に発売されたゲームというわけではありません。僕個人が2020年にプレイしたゲームを振り返る。そういう企画です。

 

また、個別にも僕の独断偏見評価を入れていきます。種類は「ストーリー」「BGM」「イチャラブ」「雰囲気」「システム」「ヒロイン魅力」「オープニング」「エンディング」の8種類で、上からSSS、S、A、B、C、-(評価不可)の5段階評価となっております。

 

それでは早速観ていきましょう。ちなみにプレイした順番で並べています。

 

 

 ※カサネガサネ、これはあくまで個人的な見解だし、記憶が一部違っている可能性もあるということを念頭に置きつつ記事を読んでいただきたいと思います。

 

 

ノミネート作品 

花と乙女に祝福を

ensembleから発売された女装学園AVG。のちにensembleは女装をして女子校に通うジャンルを数多く発表する。今作はその乙女シリーズの第1作目。

 

ストーリーは大まかに説明すると、病気療養中の双子の妹に代わり兄が女装をして女子校に通い、そこで出会った学生会会長に気に入られ、たちまち学園の注目人物になってしまう。果たして無事にバレることなく妹の代わりを果たすことはできるのか!?……といったような感じ。

 

これまでにその手の女装して女子校に潜入モノ(以後、女装学園モノ)は『処女はお姉様に恋してる』『処女はお姉様に恋してる 2人のエルダー』『恋する乙女と守護の楯』をやってきたが、今作は最初からの協力者がいない。それが一番衝撃的だった。バレたらガチで犯罪者で追放。社会的な死……。その分ハラハラ感は十分に楽しめたが。

また、この主人公、あろうことか地の文まで女口調になる。じゃあ普通に百合ゲーとして出しても良かったのでは?とも思うかもしれないが、否々そうではないのだ。

 

女装学園モノの魅力は主人公の葛藤にこそある。潜入した先で多くの女の子と出会い、仲を深めていくわけだが、自分は常に最大級の嘘をついているのだ。打ち明けたいが、そうすることは叶わないという葛藤。それがたまらんのだ。

 

ただ、ネタバレになるため多くは語れないがルート分岐後のストーリーはやや消化不良というかモヤモヤしたまま終わってしまった。

その点を除けば、ヒロイン魅力、BGM、共通ルートのストーリーなど全体的に良ゲーという印象。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / A】
【BGM / S】
【イチャラブ / C】
【雰囲気 / B】
【システム / A】
【ヒロイン魅力 / B】
【オープニング / B】
【エンディング / B】

 

総合評価 A-

 

 

ときめきメモリアル

コナミから発売された恋愛シミュレーションゲーム。言わずと知れたときめきメモリアル、通称ときメモシリーズの第2作目である。

未だに根強い人気を誇るときメモシリーズなだけあってヒロインの魅力度や、そのゲームシステムは比肩するものがないと言っても過言ではない。

 

ストーリーといったストーリーがあるわけではなく、主人公が舞台であるひびきの高校で3年間を過ごし、意中の女の子と結ばれるよう自分を磨く……といった感じ。

作中でプレイヤーがすることは基本的には学力や容姿などのパラメーター上げや、女の子をデートに誘うなどで、テキストを読み選択肢を選ぶ、今では一般的となったギャルゲーの形とは一線を画する。

 

1999年に発売されたにもかかわらず現代でも十分に通用するキャラクターデザインや、一気にプレイヤーを引き込むオープニングは本当にすごいと思う(コナミ感)。

欠点といえば、やや操作に戸惑うことや爆弾の発生条件が微妙にわからないことくらい?

 

ジャンル別評価

【ストーリー / C】

【BGM / A】

【イチャラブ / B】

【雰囲気 / A】

【システム / A】

【ヒロイン魅力 / S】

【オープニング / S】

【エンディング / B】

 

総合評価  A-

 

 

君と彼女と彼女の恋。

ニトロプラスから発売された、ギャルゲーのタブーに挑んだ作品。攻略対象のヒロインは2人しかおらず、まさしく二者択一。実はこのゲーム、とんでもない仕掛けが……。

 

ストーリーは、今では疎遠になってしまった幼馴染でしっかり者のクラスの中心人物の女の子と、完全に電波な素性もよくわからない女の子と主人公の3人で仲良くやっていこう……みたいな感じ。いやだいぶ違うかもしれない。まあまあギスギスしてる。

 

しかし、まあまあギスギスしてる、だけで収まらないのがこのゲーム。これもまたネタバレになってしまうため深くは言えないが、精神がすごい疲れる。そして恐怖し、最後はなんだかんだストーンと終わる。綺麗に、とは言えないがものすごく良い終わり方を迎える、とだけ言っておこう。もっとも最後までプレイできれば、の話だが。

 

このゲームで特筆すべきことは、このゲームの持つ世界観だろう。どこかふわふわした、全体的に白昼夢を見ているような雰囲気がある。また、システム面の作り込みもとんでもない。今まで知ってきた中でも群を抜いている。これまた深くは言えないけれど。

OP、EDともに最高レベル。内容とはかけ離れているようで、相当密接な歌詞やメロディーはこのゲームをプレイした者に不安と安らぎを与える。

 

プレイするのに疲れるが、あの雰囲気をもう一度味わいたい……! そんな良い意味で雰囲気ゲー。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / A】

【BGM / A】

【イチャラブ / B?】

【雰囲気 / S】

【システム / S】

【ヒロイン魅力 / A】

【オープニング / SSS】

【エンディング / SSS】

 

総合評価 A+

 

 

おとなり恋戦争

シュガーハウスから発売された、おとなり恋愛生活アドベンチャー

上のものたちと比べ、(こういう言い方が適切かは分からないが)THE ギャルゲー。テキストを読んで、選択肢を選んでゆく。主人公も普通に男の子。

 

ストーリー。家が隣同士で主人公合わせ幼馴染3人で仲良くやっていたが、そのうち1人は引っ越してしまい3人の楽しい時間は終わった。しかし数年後その幼馴染は帰ってきた! 主人公と結婚すると言い放って! 主人公はその2人の幼馴染プラスなんかさらに3人のヒロインも加わり合計5人から言い寄られまくることに。モテすぎちゃってとほほ〜! チッ

 

さて感想なのだが、このゲームには盛り上がり、いわゆる山場がない。ひたすらに日常を過ごし、そのあとにルートに入る。そのルート分岐後のストーリーもなんだかなんだか。

多くのギャルゲーはヒロインと困難を乗り越えることで結ばれる、または結ばれたのちに困難を乗り越えてハッピーエンド、というものが主流で、このゲームはどちらかといえば後者なのだがあるルートでは根本的な解決には至っていないまま今がサイコーみたいな感じで終わってんん?ってなった。そのためかどうも始めから最後までスッキリしない印象。

エロシーンもなかなか過激というかだいぶアブノーマル。

 

僕の求めているゲームとは若干違ったかな、という感じ。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / C】

【BGM / B】

【イチャラブ / A】

【雰囲気 /  B】

【システム / B】

【ヒロイン魅力 / C】

【オープニング / A】

【エンディング / B】

 

総合評価 C+

 

 

Summer Pockets

Keyから発売された13作目の恋愛アドベンチャーゲーム。僕自身鍵っ子なのでめちゃくちゃ楽しみにしてた(の割に発売から2年間手を出していない)。本家の萌えゲーアワード2018で大賞を受賞している。

 

ストーリーは、主人公が祖母の遺品整理のため夏休みの期間にある島にやってきて、たくさんの人と交流し、仲を深めてゆく……そんな感じ。Keyを何作かプレイした人ならお分かりかと思うが、もちろんKeyはそれだけでは終わらせない。

 

もうめっちゃ面白かった。夏!島! 最高です。「夏が舞台とはAIRに勝てるのか?」と思っていたが勝るとも劣らない最高の雰囲気(この雰囲気という言葉、便利で気に入ってる)があった。

登場人物たちもみんな個性豊かでいいやつばかりだし、ヒロインたちは可愛すぎるし。

 

ただひとつ、若干全体的に「この展開、なんか知ってる」っていう思いがぬぐいきれなかった。過去にKeyが出してきた作品に囚われ過ぎているのではないか?と思う。Keyらしさ、という点ではかなりKeyらしさはあったけれども……。

Keyならではの作風というものが確立してしまい、それが一長一短となってしまっているのではないだろうか。なんとなく今後の作品は麻枝准が離れていくような雰囲気を感じ取っているので、どのような方向で進めていくのか期待。

 

ヒロインに隠された謎が解けてゆく様子や、徐々に恋仲になっていく様子などはとても良かった。アニメ化待ってます! しろはかわいいよしろは。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / A】

【BGM / A】

【イチャラブ / B】

【雰囲気 /  A】

【システム / B】

【ヒロイン魅力 / A】

【オープニング / SSS】

【エンディング / S】

 

総合評価 A+

 

 

キミの瞳にヒットミー

戯画から発売された「やりたいこと」にひたむきな彼女と恋をするADV。戯画の中では比較的新しめ。いうても2017年ですけど。平均的にちょい昔のゲームをよくプレイするので。

 

僕はさかあがりハリケーンというゲームが大好きなのだが(詳しくはまたいつか)、その作品のシナリオを手がけた陸奥竜介さん、キャラクターデザインを手掛けたねこにゃんさんがこの作品にも携わっている。のでやるしかなかった。ちなみにそのさかあがりハリケーンも戯画から発売されているよ。

 

主人公一人になり廃部寸前となった文芸部を存続させるために生徒会長に頼ったらたくさんの女の子が集まった! しかし彼女らもそれぞれ別の部活動を立ち上げたいらしく、文芸部の部室を狙っていたのだった……! 果たして主人公は彼女らをまとめ上げ、無事に文芸部を存続させられるのか!? ……というようなストーリー。

 

全体的に安定していて面白かった。フフッってなるとこもあったし背景や立ち絵もすごく綺麗だし。ただ、物語の盛り上がりは乏しい。ゴール地点を最初に提示しているのでガンガン進めることはできたけれど。戯画からこのあと出ることになる添いカノも似たような感じだが、そちらは目的があやふやなのでその分こちらの方が個人的評価は高い。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / B】

【BGM / B】

【イチャラブ / A】

【雰囲気 /  B】

【システム / B】

【ヒロイン魅力 / B】

【オープニング / B】

【エンディング / B】

 

総合評価 B+

 

 

ToHeart

Leafから発売された学園ラブコメビジュアルノベルエロゲー、アドベンチャーギャルゲーの客層をググッと広めた(とか広めてないとか)伝説のギャルゲー。

 

Leafは本作より前は『雫』や『痕』といった陰鬱系アダルトゲームを出していたが一転、より広い客層にアピールするために企画、発売され、予想通り爆発的にヒットした。んだって。

今のようなテキストボックスが下にありその上にヒロインの立ち絵がある、というような構図ではなく、『弟切草』や『かまいたちの夜』のように画面いっぱいに文字が出てその後ろに立ち絵がある。なんとなくこの構図はホラーなイメージが強くてこわい。

それから、僕はこのゲームはPSPの『ToHeart2 ポータブルWパック』でプレイした(もちろん全年齢版なのでHシーンはなし)ためPC版や他のものとはもしかしたら若干仕様が異なっているかも。

 

スタート時点で何かストーリーがあるというわけではなく、高校1年生の終わりから始まり、主人公がどこに行くかの選択でヒロインのルートに入れるようになり、そこからヒロインとのストーリーが始まる。個別ルートが若干短いな、という印象。プロローグから個別クリアまで3、4時間あればいけると思う。

 

そして、もうとにかくヒロインの魅力度がとんでもない。なるほど伝説のギャルゲーと言われたり、未だに愛され続けているわけだ。ルート分岐後のストーリーもまた良い。泣けるし、萌える。萌え萌えだ。僕はマルチか、保科さんか、うーむ……。

欠点、というほどでもないけれど気になった点は前述の通り、ルート分岐後のストーリーがやや短い点だ。もう少しヒロインたちと一緒に幸せな時を過ごしたかった。また、入りたいルートに入るのが難しい。1個でも選択肢ミスると友情エンドなので……。

あとそういえば(急に思い出し)、ヒロインにもよるが恋愛という面をあまり推していなかった気がする。友達として、みたいな感じで進行していき、最後に結ばれるような。アマガミも似たような進行をしていくが、アマガミほど途中にイチャイチャするわけではないので、そういうのだけを求めているプレイヤーには向いてないのかも?

 

ジャンル別評価

【ストーリー / A】

【BGM / SSS】

【イチャラブ / B】

【雰囲気 /  A】

【システム / B】

【ヒロイン魅力 / S】

【オープニング / SSS】

【エンディング / A】

 

総合評価 A+

 

 

ToHerat2

Leafから発売された恋愛ビジュアルノベル。前作『ToHeart』の続編で、2年後の同じ学園が舞台となっている。ソフト自体は前作の7年後に発売されており、PC(18禁)よりも先にPS2用ゲームとして発売されている。PS3で出た同作は立ち絵が表示されるたびに動くので初めて見たときは「これがギャルゲーの完成形か…!」と思ったけれどよく考えると少し奇妙だ。

 

システムや流れも前作同様。特に変わりなし。よって省く。絵柄はだいぶ今よりになったかしら。

 

ToHeartと違う点でもう一つ、このゲームめちゃくちゃ長い。もしかしたらそんなに長くないのかもしれないが、プレイしてる側としてはものすごく長く感じた。ToHeartの気になった点であったストーリーの長さをそのまま違う方向に気になった点にしてある(もしかしてToHeart発売時に短すぎると多くの人が感じていたりしたんだろうか?)。

 

そんな時間に余裕があるときにどっしり構えてプレイしたいゲーム。委員長かわいいよ委員長。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / B】

【BGM / S】

【イチャラブ / A】

【雰囲気 /  A】

【システム / B】

【ヒロイン魅力 / A】

【オープニング / SSS】

【エンディング / B】

 

総合評価 A-

追記:2021年にプレイし直し、評価も大きく変わっています。

 

 

THE IDOLM@STER SP ミッシングムーン

今年2020年に15周年を迎えたアイドルマスターシリーズ。PSPでその765プロのアイドルたちを育成できるゲーム。しかし既存のアイドル全員をプロデュースできるわけではなく、当時は波紋を呼んだとか。

SPは3種類出ており、それぞれプロデュースできるアイドルが異なっている。ミッシングムーンの他にパーフェクトサン、ワンダリングスターがある。

ミッシングムーンでプロデュースできるアイドルは如月千早三浦あずさ秋月律子の3人。僕はその中でも三浦あずささんをプロデュースした。

 

ストーリーはシンプルにアイドルを日本1に導けるよう育てていく、というようなもの。ただし、ミッシングムーンでは765プロで活躍していた星井美希が961プロに移ってしまいライバルとなる。自分の担当アイドルを育成しつつ、星井美希を765プロに戻すことも目的の一つ。

 

ニコ厨であった僕はアイドルマスターの曲はいくつか知っており、ずっと興味はあるが手はなんとなく出さないような状況が続いたなか、15周年ということで今年Youtubeで全話公開していたものを見たことが後押しとなりついに購入、プレイへと至った。初代のじゃないけどね。

ちなみに現在アイドルマスター シャイニーカラーズをぽちぽち進めているけれど個人的にはそちらの方が難しい。甜花ちゃん。

 

すげー面白かった。新鮮だった。なんだか妙に緊張感があったり、レッスンやコミュニケーションが想像よりはるかに難しかったけれど、それでも全くできない難易度ではないのが良い。

個人的には961プロの社長も実はいい人みたいなのを期待したけれどガチのマジのクズでちょっと嫌だった。だから美希ちゃんを連れ出せて良かったー!あずささんとも無事結ばれたし結果オーライ!終わり!!

 

ジャンル別評価

【ストーリー / B】

【BGM / S】

【イチャラブ / A】

【雰囲気 /  A】

【システム / S】

【ヒロイン魅力 / S】

【オープニング / -】

【エンディング / -】あれ?あったっけ?

 

総合評価 A

 

ナツメグ

コットンソフトから発売された学園アドベンチャー。RES(Random Event System)というシステムを採用しており、複数のイベントがあるなかプレイヤーはランダムでカードを選び、そこに書かれたイベントを行う。よくできてるな〜って思った。シナリオは木緒なち(重要)。

 

ストーリー。主人公の通う学校は生徒数減少のため夏休みがあけた2学期から他の学校との統合が決まっていた。さらには過去にふさぎこんでいた主人公を救い、周囲になじませてくれた女の子、由佳子がその時期に合わせ転校してしまうという。由佳子に恩返しする意味も込めて、仲間を集めて最後の夏を楽しむべく夏限定の部活を作ると決めたのであった……。そんな感じ。

 

まぁ面白かった。若干短かったかな?

先述のRESシステムは面白いし、応用も効きそうだけど、すべてのイベントが完全にランダムなので時系列的に進んでいる感じが全くしなかった(周回していくとより一層この思いは深まった)のが少し残念かも。

分岐後のストーリーはヒロインにもよるが相当良かった。ネタバレというかアドバイスとして、初回はメインヒロインの由佳子ルートに入りやすくなっており、一番最後に選ぶことはできない。僕はメインヒロインらしき娘は最後に回しがちなので、あるヒロインを狙っていた時に強制的に由佳子ルートに入った時はびっくりした。

そのあるヒロインというのが野島ほとりである。ある意味裏のメインヒロインで、彼女のストーリーは作中屈指の出来と言える。一番最後に攻略できるヒロインなのか、由佳子クリア後に解放されるのかは分からないが、僕としては由佳子をまずクリアして、他のヒロイン、そしてほとりルートという進み方を強くオススメしたい。

 

中古で安く買ったゲームなので期待値はそこまで高くなかったが、ゆうに超えてきた。夏の終わりの寂しさを味わえるゲーム。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / A】

【BGM / B】

【イチャラブ / B】

【雰囲気 / A】

【システム / B】

【ヒロイン魅力 / A】

【オープニング / B】

【エンディング / B】

 

総合評価 B+

 

 

あまつみそらに!

クロシェットから発売された恋愛アドベンチャー

このゲームはいわゆる一般的な学園モノのギャルゲーとは異なり、舞台は自然豊かな架空の島で、島の神様や妖怪が存在し、怪奇現象が多く起きる。しかし薄気味悪いような雰囲気はなく、神様は人間界に順応してしまいやる気のないJKとなっている(なんと攻略できるのだ)。BGMやヒロイン、ストーリーも基本的には明るい。そこで起きる怪奇現象をヒロインと一緒に乗り越えるのが大きな流れになっている。

 

あらすじ。舞台は瀬戸内海に浮かぶ美空島という島。主人公である観崎高久は幼い頃に両親を亡くしており、妹の美唯と、幼い頃に高久によって人間の姿を得た神様の神奈と3人で暮らしていた。時は流れ彼らも高校生になり、神奈は神様らしい振る舞いはせずに一人の人間として生きることを望んでいた。そんな中、本土から一人の巫女、葉月深景がやってくる。彼女との接触を避けたがる神奈。巻き起こる怪奇現象。彼らの恋の行方やいかに。この流れで恋って。

 

あらすじには書かなかったヒロインがもう2人ほどいるが、僕はその2人がすごく好き。

僕は基本的には学校で過ごして魔法も超常現象も特に起こらない、普通の学園モノが好きなのだが、たまにはこういうのも悪くないね……。
悪くないどころがめちゃくちゃ良かったね。BGMもストーリーもヒロインもかなり好き。サントラも買った。怪奇現象と学園モノの対比がいい味を出してるのかもしれない。うまく言えない。とにかくやってみてくれや。

 

姫ちゃん攻略させろ!アニメ化もしろ!!

 

ジャンル別評価

【ストーリー / A】

【BGM / SSS】

【イチャラブ / A】

【雰囲気 / S】

【システム / A】

【ヒロイン魅力 / S】

【オープニング / A】

【エンディング / B】

 

総合評価 A+

 

 

そして明日の世界より――

etudeから発売された恋愛アドベンチャー

僕とその友人はFANZA GAMES(R-18)を巡っては面白そうなゲームを探すというキモい趣味があるのだが、その友人が「面白そうなゲームがあるぞ!!」と息巻いて紹介してきたゲーム。確かにあらすじを読んだだけで僕はこの作品に一気に興味を持った。

 

というわけであらすじ。

主人公、葦野昴は幼馴染や親友と自然に恵まれた島で楽しく暮らしていた。人口の少ない島なので学園の生徒数は少なく、全員親友(主人公以外女の子)。島の住人からはガンちゃんなんて呼ばれたりする人気者で、学校が終われば遊んだり仲の良いおじいさんと温泉を掘ったりして毎日を過ごしていた。しかしそんな日常も突如終わりを迎える。テレビのニュースは『地球に小惑星が衝突し、3ヶ月後に世界は終わる』と告げた。世界の終わりが確定した時、人間はどう変わるのか?

 

すごいゲーム。最後までプレイした後はすごく不思議な気持ちになる。

ひとつ勘違いしないでおいてもらいたいのが、このゲームは決して鬱ゲーではない。死を迎える人々の悩みや絶望があるなかで、最後には希望を見出し、終える。もちろんその中途は限りなく絶望的で主人公の精神もほぼ壊れかける。しかし、それを乗り越えることにこの作品の美しさがある。

 

さらに踏み込んだ感想をガツガツ書きたいので、ちょっとでもこのゲームに興味を持ちネタバレが嫌って人はこの辺で読むのをやめて、次の項に行くことをオススメする。

君と彼女と彼女の恋。とはネタバレの毛色が違うのでね) 

………………………………

………………

……

 

僕が一番心にきたシーンは主人公の母親がひどく病んでしまうシーンだ。その原因は自分に突如訪れた理不尽な死ではなく、未来ある息子に何もすることができないという無念さからなのだ。そしてこの世界で起こる最も残酷なことは小惑星が衝突することではない。島の中で主人公にだけ、隕石から身を守ることができるシェルターに行く権限が渡されることだ。シェルターに行く権限はランダムに選ばれ、その確率は圧倒的に低い。しかし主人公にだけそれが渡ってしまう。それが島中にも伝わってしまいひどい扱いを受けることになるのだが、母親はシェルターの権限が息子に渡ったことをとてつもなく喜び、遠足に行く前のようなテンションで荷造りをする。ここが一番泣けたかもしれない。親というものはそこまで強い存在なのだろうか……。自分が親になることなんてきっとないから分からないが、もし自分がその立場になったとしてそんな振る舞いができるのだろうか?

恋愛アドベンチャーというジャンルに括られてはいるけれども、あるのは人間ドラマだ。恋愛の範疇には収まらない。

もちろん奇跡は起こらずに世界は終焉を迎える。主人公たちがどんな最期を迎えたのか。それが作中で語られることはないが、きっと絶望的にではなく穏やかにその時を過ごしたのだろう。

そして、全ヒロイン攻略後に、シェルターから出てきた人間の視点で、個別ルートのその後主人公たちが残された時間をどう過ごしたかが描かれたストーリーを読むことができる。こちらも必見である。

 

ところで智代アフター然り、人生の意味を説いた作品を読むと死にたくなるのは僕だけですかね。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / S】

【BGM / S】

【イチャラブ / A】

【雰囲気 / S】

【システム / A】

【ヒロイン魅力 / A】

【オープニング / A】

【エンディング / A】

 

総合評価 A+

 

 

君を仰ぎ乙女は姫に

PeasSoftから発売されたお嬢様とのラブラブ学園生活を楽しむADV。原画がシュクレあたりのねこにゃんさんかと勘違いして購入した。ねこにゃんさん絵柄すごく変わるから……。まぁでもプレイしていて思ったけれど全然違かった。本作品の原画はさとーさとるさん、きくらげさん。すごく、綺麗です。

 

ストーリー。超名門である緑風院学園に通う主人公。彼の家は超貧乏なのだが、訳あって有名財閥の息子だと偽りつつ特待生として学年トップの成績を誇り、学園生活を謳歌していた。そんななか学園一のお嬢様生徒会長に呼び出され、毎年学園祭で催される演劇の主役に抜擢される。それは学園祭の主役になるも同義だった。諸々の理由から失敗すれば学園からは追放。主人公はうまく立ち回り無事に学園祭を成功させられるのか!?

 

うーーーーん。という感想。

最後までストレスなくプレイはできたけど、なんというか展開がおかしい。主人公に対して甘いと思った。家が貧乏で努力型というのは分かるけれど、そういう努力もあんまり描写されず、世界有数のお嬢様と付き合うことになる時にも、執事長から主人公が気に入られていたという理由から別段反対されない、など。障害らしい障害が用意されてはいるものの、全部ぺらぺらの紙でできた箱だった、みたいな肩透かしを食らう。

それから全ルート告白する辺りの流れがヒロインの名前以外文章ごとコピペで全員同じ展開なのもすごく嫌だった。そこは端折っていい部分じゃないだろう。

 

くっついた後のイチャイチャだけ楽しみたい人には、まぁ、向いてるのかなぁ。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / C】

【BGM / A】

【イチャラブ / A】

【雰囲気 / B】

【システム / A】

【ヒロイン魅力 / B】

【オープニング / B】

【エンディング / B】

 

総合評価 B

 

 

スズノネセブン

クロシェットlumineから発売された恋愛アドベンチャー。これまた現実的な学園モノではなく、魔法が発展し始め1つのエネルギーとして確立された現代世界が舞台。

 

魔法と科学の融合を目指す名門「スズノネ学園」に通う主人公。そこでは毎年成績が悪かったものが7人集められ、合宿を行い退学をかけた課題をこなさなくてはならなかった。そのワーストセブンに今年主人公が選ばれてしまった。個性的なメンバーと生活をともにしながら無事課題をこなすことができるのか!?……そんなストーリー。

 

全体的に安定して面白い。ギャグも寒くないし。
しかし、少し思っていたものと違ったというか、合宿という形をもう少し活かしてほしかったと思う。7人(+先生)と共同で生活するわけだから全員で何かするようなイベントが見たかったのだがそういうのは一切なかった。主人公の周りには基本2、3人しかおらず、他のメンバーは大抵補習だかで別の場所にいる。例えばみんなで夜に星を見るようなイベントが一個でもあれば評価は結構変わっていたと思うんだけど……。

それからもう一つ、このゲームはKanon問題のような問題が起こる。主人公はストーリー上一人のヒロインと結ばれ、協力して二人で課題をこなすのだが、その課題というのが二人掛かりでないと解決できないものが多い。しかし、Kanon問題と違う点はちゃっかりパートナーになったヒロイン以外も無事課題をクリアしている点だ。どうやってクリアしたのか? ルートごとに課題が変わるのか? 色々気になってしまった。

 

魔法が本当にあって発展し始めたならこうなるんだろうな、とファンタジー色が強いわけでもなく、うまく現実世界に落とし込んでいる良ゲー。すみれ可愛いよすみれ。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / B】

【BGM / A】

【イチャラブ / C】

【雰囲気 / C】

【システム / A】

【ヒロイン魅力 / A】

【オープニング / B】

【エンディング / A】

 

総合評価 B+

 

 

planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜

Keyから発売されたキネティックノベル。ギャルゲーの類に入れていいのかは分からないけどそこは僕のさじ加減や。

 

あらすじ。舞台は戦争により荒廃した近未来。人口の大半は死亡し、気候変動によって有害な物質を含む雨が振り続けた。主人公は生き延びるために廃屋を巡り食料や武器などを探す屑屋であり、ある日封印都市と呼ばれる廃墟の都市のデパートに足を踏み入れた。そこでデパートの最上階にあるプラネタリウムで働くロボットの少女と出会い……。

 

突然だが皆さんは死ぬ直前には何をしたいと考えるだろうか。僕はできることなら音楽を聴きたいと思う。常日頃から死ぬ直前にどの曲を聴きたいか延々と悩んでいるわけだが、候補のひとつがこの作品のアニメ映画『planetarian星の人』の主題歌「星の舟」だ。星が広がる幻想的かつ儚い世界観をそのまま音楽で表現しているとても落ち着く素敵な曲だ。

 

ゲームの内容もまた儚い。ハッピーエンドとは言えないがバッドエンドという訳でもない。明確な描写はないが主人公は確実にロボットの少女に恋をしていると言っていい。ただしその少女はデパートの予備電源でギリギリ稼働しており現在の世界情勢を何も知らない。そんな彼女を外の世界に連れ出していいか悩むわけだ。

このゲームで特にすごいと思ったのが、前半のセリフを後半でしっかり回収して綺麗に終わるところだ。前半のセリフというのは別に伏線というわけでもないのだが、その多くが後半で活きてくるセリフになっている。

まだ新作のアニメを作っているらしいが、個人的には綺麗に終わっているんだからやめてほしいと思う。それより智代アフターは?

 

Toheartのマルチの時にも思ったけどやっぱりロボっ娘はいいね……(浅いな)。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / S】

【BGM / A】

【イチャラブ / -】

【雰囲気 / S】

【システム / B】

【ヒロイン魅力 / A】

【オープニング / -】

【エンディング / A】

 

総合評価 A

 

 

恋する乙女と守護の楯〜薔薇の聖母〜

AXLから発売された恋愛アドベンチャー。僕の愛してやまない女装学園モノ。恋する乙女と守護の楯(以降、恋楯)の続編である。

 

あらすじ。女学院セント・テレジアでのミッションを無事切り抜けた主人公だったが、その腕を高く評価され女装潜入担当としての地位を確立してしまう。不本意な仕事が多く舞い込み疲れ果てる主人公だったが、ついに最後の女装案件としての仕事が来る。それはセント・テレジアを彷彿とさせる女学院に転入し、生徒会長選挙に立候補し生徒会長になれというもの。多くの闇と美しいお嬢様が渦巻くこの学院で主人公は無事最後のミッションをこなすことができるのか!?

 

前作恋楯がすごく好きだったため購入。主人公が同人物の続編ということで不安もあったがこれは良い続編だった。より主人公の過去を掘り下げたり前作キャラクターを少しだけ出す、BGMをリメイクするなど。

ストーリーもwktkしながらできたしイチャイチャも良い。こういうことだろうが、と。

多少おかしいようなところもあるけれど、そこすら他でカバーできてるのがこのゲームのすごいところ。欲を言えばせっかく主人公が女装するんだからやっぱりボイスが欲しかったな。

3作目を強く望んでいます。というか出るんじゃないかと睨んでいる。あるヒロインのルートで、新人が入って主人公が女装することも少なくなったようなことが示唆されているのだ。期待しています。

 

やっぱり2作目なので前作をプレイしてからの方が100倍面白い。前作恋楯のリメイク『恋する乙女と守護の縦 Re:boot The "SHIELD-9"』が本当に最近(2020年3月27日)に発売された。オススメできます。多分いつか買う。

 

ジャンル別評価

【ストーリー / A】

【BGM / A】

【イチャラブ / S】

【雰囲気 / A】

【システム / B】

【ヒロイン魅力 / A】

【オープニング / B】

【エンディング / A】

 

総合評価 A

 

 

 

おわりに

 以上が僕が2020年にプレイした作品の数々です。本当は『ダ・カーポⅢ』(途中で動作不良になったため一時中断。のち買い直した)、『車輪の国、向日葵の少女』(現在プレイ中)も今年中に終わりそうな気もするのですが、それらはまた2021年に(あと『リトルバスターズ!』『智代アフター』『さかあがりハリケーン』『CLANNAD』『ましろ色シンフォニー』『パルフェ』など全ルートではないものの周回プレイとかもしていました)。

 

それから、大賞とか主題歌賞とかシナリオ賞とかないのか!という声も聞こえてきそうですが、ありません。みんな違ってみんな良いのです

とか言って本当は選ぼうとしてました。でも全然絞りきれなくてやめました。あはは。

 

僕がギャルゲーをプレイし始めたのは本当に最近のことで、多分3年前くらいのアマガミが最初だったと思います(厳密に言えばもう少し前にどとこいというフリーゲームをプレイしたことはありますが)。なので今のところ毎年が豊作です。これからもずっと色んなギャルゲーをプレイし続け、すべての評価がSSSになるような作品と出会うことが夢です。

 

来年プレイしたいゲームはいくつか目処が立っています。先ほど述べた『ダ・カーポⅢ』『車輪の国、向日葵の少女』の他に『乙女シリーズ』『オトメ*ドメイン』など女装学園モノ。あとは何か鬱ゲーにも手を出してみたいな、なんて。

ここまで読んでくださった方でオススメな作品があれば是非教えて欲しいです。よろしくお願いします。

 

というわけで、これにてしろしろ的萌えゲーアワード2020は終了です。おつきあいいただきありがとうございました。

来年も素敵な作品と出会えますように。

 

しろしろ